ブックタイトルHealth Management for Female Athletes

ページ
96/166

このページは Health Management for Female Athletes の電子ブックに掲載されている96ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

Health Management for Female Athletes

7 -2無月経に伴う低エストロゲン状態の問題点アスリートの無月経の主な原因はエネルギー不足であることを解説してきましたが,無月経になるまでにはエネルギー不足以外にもさまざまな内分泌機能が影響しています.内分泌腺から分泌されるホルモンには多くの種類があり,各ホルモンがそれぞれの細胞のはたらきを調節することによって健康な状態が保たれています.ホルモンは,からだの状態に合わせて分泌量がコントロールされます.例えば,月経が起こるためにはエストロゲンやプロゲステロンなどさまざまなホルモンの分泌量が周期的に増減し,正常に作用する必要があります(1.月経に関する基礎知識参照).オーバートレーニングや急激な体重減少などストレスが高い状態では,コルチゾールというホルモンの血中濃度が高くなります.コルチゾールの上昇は性腺刺激ホルモン放出ホルモン,黄体化ホルモン(LH),卵胞刺激ホルモン(FSH),エストロゲンの分泌量を低下させます51).これらのホルモンは,月経を起こすために重要なホルモンであり,分泌量が低下すると無月経を引き起こします(図5 1).つまり,無月経の状態は“内分泌系の調節機能が低下しているサイン”といえます.このような状態が続くことによって,さまざまな健康への影響がでて・エネルギー不足・体重(体脂肪)減少・オーバートレーニング・ストレスグレリンレプチンコルチゾール性腺刺激ホルモン放出ホルモン黄体化ホルモン・卵胞刺激ホルモン図51内分泌機能の低下と無月経の関係エストロゲン無月経骨粗鬆症94