ブックタイトルHealth Management for Female Athletes

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概要

Health Management for Female Athletes

体験談3無月経を乗り越えて出産を経験小原日登美さん(元レスリング選手)小学校3年生でレスリングを始めたのですが,中学のとき生理が止まり,初めて産婦人科を受診しました.ホルモン注射による治療を行い,その後しばらくは定期的に生理がくるようになりました.高校に入り,激しい運動と無理な減量で,また生理が止まってしまいました.将来子供が産めなくなることを心配した母の勧めで再び産婦人科を受診,基礎体温を測ったところ排卵がないことがわかり,薬による治療を始めました.その後,大学時代や社会人になってからは体重も増え,定期的に生理がきていました.ところが,ロンドンオリンピックに向けて階級を下げたことで,また生理が止まってしまったのです.産婦人科を受診したところ,「ホルモンがほとんど出ていないので治療に時間がかかるかもしれない」と言われてしまい,オリンピック終了後に治療を開始.ところが,体重を増やしホルモン治療を開始しても生理はすぐには戻りませんでした.当時,結婚して子供を考えていたのですが,1年過ぎても生理が自然に戻らなかったため,排卵誘発剤で念願の子供を授かることができました.生理が自然に戻ったのは,出産から1年が過ぎた頃で,約4年ぶりでした.これらの経験から,体を休めてしっかり栄養を摂り,リラックスすることが大切だと実感.自分の体と向き合うことが競技の成績向上にも繋がると思います.無月経や生理不順を「たかが生理」と放置せず,後の人生のことも考えてちゃんと受診をして欲しいと思います.風邪や怪我で病院に行くように,生理が止まると母が産婦人科に連れて行ってくれたお陰で,私は自分の体と常に向き合う事ができました.選手本人だけではなく,指導者や保護者も,選手や子供の体の変化には敏感でいて欲しいと願っています.93