ブックタイトルHealth Management for Female Athletes

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概要

Health Management for Female Athletes

これらの結果から,疲労骨折の予防については,競技レベルを問わず,ジュニア期から取り組むべき課題であることが明らかになりました.疲労骨折のリスクファクターは,トレーニング量やフォームの問題などさまざまありますが,女性アスリートの三主徴の予防も重要となります.g.骨密度を測定すべきアスリート女性アスリートの三主徴の一つである低骨量や骨粗鬆症のスクリーニングは,競技生活中の障害予防や生涯にわたる女性の健康を守るうえで重要となります.一般的に閉経前後の女性の骨密度を測定する機会は多いですが,アスリートのみならず,10代や20代の若い女性において,骨密度を測定した経験がある女性は少ないのではないでしょうか.しかし,10代,20代の無月経のアスリートにおいても既に同年代の一般女性と比較し,骨密度が低いアスリートは珍しくありません.特に,最大骨量獲得前の10代が骨量を獲得するという点で重要な時期となりますので,今後はジュニア期からの予防とスクリーニングが重要になってきます.日本では,アスリートの骨密度に関する指針はありませんが,2017年度に発行される産婦人科診療ガイドラインでは,下記2項目に当てはまるアスリートでは骨密度の測定を考慮するとしています.《骨密度の測定を考慮するアスリート》1エネルギー不足のアスリート→成人ではBMI 17.5 kg/m2以下,思春期では標準体重の85%以下に当てはまるアスリート2 1年以上低エストロゲン状態が疑われるアスリート→1年以上無月経のアスリートh.骨密度を測定する部位日本ではアスリートの低骨量/骨粗鬆症の診断基準がないため,アメリカスポーツ医学会の指針を参考にしています.アメリカスポーツ医学会では,20歳91