ブックタイトルHealth Management for Female Athletes

ページ
83/166

このページは Health Management for Female Athletes の電子ブックに掲載されている83ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

Health Management for Female Athletes

7-1女性アスリートの無月経女性アスリートに多い視床下部性無月経の原因はlow energy availability(利用可能エネルギー不足,以下,エネルギー不足と訳す)であり,エネルギーバランスと月経周期には関連があります.まず,女性アスリートに多い3つの健康問題について考えてみましょう.a.「女性アスリートの三主徴」とは女性アスリートに多い健康問題として,アメリカスポーツ医学会では,エネルギー不足,視床下部性無月経,骨粗鬆症の3つの疾患を「女性アスリートの三主徴」と定義しています(図3 9)42).以前は,この定義のうちエネルギー不足は摂食障害という定義でしたが,摂食障害という診断がつく前からの医学的介入が必要であることから,2007年に定義が変更されています.過食症や拒食症などの摂食障害は,一般女性と比較するとアスリートで多く,特に10代のアスリートや審美系,体重-階級系のような競技に参加するアスリートで多いことも報告されています43).女性アスリートの三主徴は,日本では数年前から取り上げられるようになりましたが,この問題は,国際的にみると1990年代から警鐘が鳴らされています.この3つの疾患は独立して存在するものではなくそれぞれが関連し合っていますが,この三主徴のはじまりは,エネルギー不足と考えられています.エネルギー不足とは,「運動によるエネルギー消費量に見合った食事からのエネルギー摂取量が確保されていない状態」を指します.しかし,この摂取・消費エネルギーをスポーツの現場で評価することは難しく,エネルギー不足の第一段階のスクリーニングとして成人ではBMI 17.5 kg/m2以下,思春期では標準体重の85%以下を用いて評価しています.エネルギー不足が長期間続くと,脳の下垂体からの黄体化ホルモン(LH)の周期的な分泌が抑えられ,排卵がなくなります.排卵がみられなくなると,もともと規則的にきていた月経が不順になり,最終的に無月経となると考えられています44).卵巣からは,エストロゲンとプロゲステロンという2つの重要なホルモンが分泌されていま81