ブックタイトルHealth Management for Female Athletes

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概要

Health Management for Female Athletes

各先行研究の結果の解釈には注意が必要です.そこで我々は,同一の対象者において,低用量ピル服用にともなう有酸素性能力の変化について縦断的に検討しました.その結果,卵胞期,黄体期,消退出血期,低用量ピル服用期における,最大酸素摂取量,最大換気量,運動継続時間に差は認められませんでした.さらに,2mmol/L時,4mmol/L時の負荷および心拍数においても,自然周期と低用量ピル服用後を比べても変化しないという結果が得られました(表13,表14).ただし,2mmol/Lより低負荷の時の血中乳酸濃度が自然周期に比べて低用量ピル服用期に高くなる可能性が示されました(図26).本調査の対象者の種目特性がさまざまであることから,調査研究期間中のトレーニング内容の違いなどの影響による可能性もあり結果の解釈に限界がありますが,運動中のエネルギー代謝においてはエストロゲンの関与の可能性が示されているため26),この点については種目特異的に引き続き検討していく必要があります.58