ブックタイトルHealth Management for Female Athletes

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概要

Health Management for Female Athletes

はじめに2012年国立スポーツ科学センターに着任直後,婦人科外来を受診したアスリートからこんな言葉を聞きました.「前回のオリンピックは月経と重なってしまい,記録が出せなかった…」.この衝撃的なアスリートの言葉は今でも鮮明に記憶に残っています.また,日常診療の中で無月経や低体重により,10代・20代の若い女性においても既に低骨量・骨粗鬆症のアスリートを多く経験します.トップアスリートは当然月経対策が取られていると思っていただけに,これらの経験は実態調査と教育・啓発活動の必要性について強く考えさせられるものでした.女性アスリートの婦人科の問題は,月経痛や月経前症候群,月経周期と主観的コンディションの変化などの「月経がきている選手が抱えている問題」と,初経がきていない,月経が止まっているなどのいわゆる「無月経の選手が抱えている問題」に分けられます.これらの問題に対し対策を行う際は,競技・種目特性だけでなく個人差も考慮しなければならないため,全選手が同一の治療を行うことは難しく選手1人1人に合った治療が必要となります.トップアスリートのみならず,スポーツに参加する女性においてもジュニア期からさまざまな女性特有の問題に対し正しい知識を持ち,月経対策の選択肢を多く持って欲しいと思います.しかし,スポーツ界では産婦人科で使用される機会が多いホルモン剤に対する懸念,誤解が多いことも日々感じています.また,無月経に対する考え方や治療方針は一般女性と異なる点がありますが,アスリートに関わるスタッフも含め十分な理解が得られていない現状にあります.このHealth Management for Female Athletesは,これまでスポーツ庁委託事業で行った調査結果をもとに,コンディショニングのための月経対策法と,障害予防の点で医学的介入が必要となる無月経を中心に取り上げています.競技レベルを問わずスポーツに参加する全ての女性が,目標とする試合で最高のパフォーマンスを発揮できるよう,本冊子が日々のコンディショニングや障害予防を考えるうえでの一助となることを願っています.国立スポーツ科学センターメディカルセンタースポーツクリニック産婦人科東京大学医学部附属病院女性診療科・産科能瀬さやか1