ブックタイトルHealth Management for Female Athletes

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概要

Health Management for Female Athletes

すが,経皮投与ではIGF-1では抑制しない,という点からです42).今回,無月経のアスリートに経皮エストラジオール製剤による治療を1年間行い骨量の変化を調べてみました.対象者は,無月経で未治療のアスリート32名,無月経で1年間経皮エストラジオール製剤を投与したアスリート25名,月経正常群(コントロール群)35名です.この結果,経皮エストラジオール製剤投与群では骨量の増加がみられ,未治療群では骨量が低下していました(図81).この結果から,経皮エストラジオール製剤投与により骨量は増加する可能性が示唆されましたが,引き続き症例を蓄積し検討していく必要があります.また,ホルモン剤と聞くと,低用量ピルを想像するアスリートや指導者,他科のスポーツドクター,保護者の方が多いことを日々感じています.ホルモン剤は低用量ピルだけではありません.低用量ピル以外にも,例えば更年期障害で使用されるようなエストラジオール製剤というものがあり,低用量ピルとは異なるものです.骨量の点からは経皮投与のほうが有効であるという報告が多いことから,原則としてエネルギー不足による無月経のアスリートに対し低用量ピルの投与は行って%141210腰8椎骨6密度4の変2化率0-2-4-6-8未治療の無月経群32名p=0.008図81腰椎骨密度の変化率p=0.030経皮エストラジオール製剤投与群25名p=0.622コントロール群35名131