ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

ため,各先行研究の結果の解釈には注意が必要です.そこで本調査では,同一の対象者において,低用量ピル服用にともなう有酸素性能力の変化について縦断的に検討しました.その結果,卵胞期,黄体期,低用量ピル服用期,消退出血期における,最大酸素摂取量,最大換気量,運動継続時間に差は認められませんでした.さらに,乳酸が2mmol/L時,4mmol/L時の負荷および心拍数においても,自然周期と低用量ピル服用後を比べても変化しないという結果が得られました(表15,表16).ただし,2mmol/Lより低負荷の時の血中乳酸濃度が自然周期に比べて低用量ピル服用期に高くなる可能性が示されました(図35).本調査の対象者の種目特性がさまざまであることから,調査研究期間中のトレーニング内容の違いなどの影響による可能性もあり結果の解釈に限界がありますが,運動中のエネルギー代謝においてはエストロゲンの関与の可能性が示されているため30),この点については種目特異的に引き続き検討していく必要があります.表15有酸素性能力自然周期低用量ピル服用期卵胞期黄体期服用期消退出血期最大酸素摂取量L/分2.10±0.4 2.13±0.4 2.05±0.4 2.07±0.3体重あたり最大酸素摂取量mL/kg/分40.9±7.1 41.5±6.0 40.2±6.3 40.1±4.7最大換気量mL/分88.7±25.5 90.5±16 . 2 94.5±19 . 2 91.9±15 . 8最高心拍数拍/分181±10 184±8 182±10 183±11最高乳酸値mmol/L 9.9±2.2 10.9±1.6 10.1±2.3 10.9±2.5運動継続時間分17.1±3.6 17.1±3.4 16.9±3.4 17.1±3.5平均値±標準偏差有意差なし96