ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

や術後不動を伴う手術では,少なくとも手術の4週間前からの服用中止を考慮する」としています14).しかし実際には,4週間以内に手術となることも多く,手術が決定した時点で中止を検討しています.また,OC・LEPガイドラインでは術後低用量ピル再開の時期については,不動が解除されるまでは慎重にすべきとしており,薬の添付文書には,術後2週間以内の再開は禁忌(使ってはいけない)と記載されています.アスリートに多い整形外科の手術は部位により長期安静を要するものから不要なものまでさまざまあります.中止の有無については手術の部位や手術時間,内容などにより異なるため,手術の際は低用量ピルを服用していることを主治医にきちんと説明するようにしましょう.Q7.何歳から服用できますか?世界保健機構(WHO)では,初経がきたら服用可能としています.日本の低用量ピルの添付文書には「骨成長が終了しない可能性がある患者」に対しては使用してはいけないことが記載されています.しかし,初経後に低用量ピルを投与することにより骨成長が阻害されたという報告はなく,OC・LEPガイドラインでは「初経発来後から服用可能であるが,骨成長への影響を考慮する」としています14).また,海外では?瘡(にきび)の治療として使用する場合は14歳以上,月経前不快気分障害(PMDD)で使用する場合は18歳以上から対象となっています14).Q8.低用量ピルを中止した後,妊娠できますか?アスリートに低用量ピルに対するイメージを聞くと,「将来妊娠できなくなる薬」という回答を多く聞きます.2017年に女性アスリートに関する管理指針や診療ガイドラインが発刊されるまでは利用可能エネルギー不足による無月経に対する治療指針が少なく,無月経の治療として低用量ピルが多く使用されてきたことが,この誤解と関連している印象を受けます.アスリートに多くみられる無月経は,「運動によるエネルギー消費量に見合っ79