ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

一時的な副作用によりコンディション低下がみられることもあります.しかし,長期的にみるとコンディションに影響を与えていた婦人科の問題は改善されますので,自分に合った低用量ピルが見つかるまでの2~3カ月期間は調整期間という認識のもとで治療を開始することも重要となります.低用量ピルについてアスリートから多い質問Q1.どれくらいのアスリートが月経対策を行っていますか?アスリートの低用量ピル使用率について,海外では避妊目的で使用されるケースが多いですが,欧米では8 3%(2 0 0 8年)のトップアスリートが服用していることが報告されています(図26)15).海外のチームに所属していたアスリートが帰国した際,「海外ではみんな服用しているから始めたい」というケースもあります.一方,本邦のアスリートの使用率について2011年4月から2012年5月までの期間にメディカルチェックでJISSを受診したオリンピック選手および各競技団体強化指定選手683名を対象に調査を行った結果,低用量ピルの使用率は2%であり,このうち2012年に開催されたロンドンオリンピック出場選手156名の調査では,使用率は7%でした(図27-左)12).JISSにおける2011年からの低用量ピル処方シート数の推移をみても明らかなように(図28),近年,低用量ピル(中用量ピル含む)服用により月経対策をとるアスリートは増加傾向にあります.リオ2016オリンピック出場選手164名のうち,ホルモン剤を用いて継続的に月経対策を行っているアスリートは27.4%でした(図27-右).また,リオ2016パラリンピック出場選手のうち3 7名への調査では,月経対策を行っているアスリートは2 7%程度で(図29),目的は試合などに月経が重ならないようにする月経周期調節でした(表8).低用量ピルの服用については,ネットからの情報だけでなく,専門家から正しい説明を受けたうえで決めるようにしましょう.74