ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

4.婦人科で使用される機会が多い薬剤とアンチ・ドーピング4-1鎮痛薬(痛み止め)主に,月経困難症で使用される機会が多い薬です.前述の通り(p21),若年女性で多くみられる機能性月経困難症の主な原因は,プロスタグランジンによる子宮の過度な収縮と考えられています.怪我の時,鎮痛薬を使用したことがあるアスリートは多いと思いますが,一般的に使用される鎮痛薬は非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)と呼ばれ,月経痛の原因となるプロスタグランジンの合成を阻害する働きがあるため,月経困難症に鎮痛薬は有効となります.痛みがピークに達してから服用するより,痛みが出たらできるだけ早く服用し,プロスタグランジンを作らせないようにする方が効果的です.鎮痛薬を服用せずに我慢しているアスリートも多くみられ,その理由として「癖になるから」,「ドーピングが心配だから」という声を聞きます.月経痛による服用は1~3日間と短期間であることが多く,癖になることはありません.ほとんどの鎮痛薬はドーピング禁止物質を含んでいませんが,使用する場合は必ずドーピング禁止物質が含まれていないか確認するようにしましょう.また,鎮痛薬を服用すると眠気が出るというアスリートがいます.鎮痛薬の中には,眠気の成分である「アリルイソプロピルアセチル尿素」を含まない薬剤もあるため,使用する前に,成分を確認すると良いでしょう.月経痛に有効である鎮痛薬の処方例を表5に示します13).表5月経困難症の治療に用いられる鎮痛薬1.配合薬2.非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)薬品名AcetaminophenAspirinIbuprolenIbuprofenLoxisoprofenKetoprofenNaproxenMefenamic acidIndomethacineDiclofenac Na67商品名セデス・タイレノールなどバファリンなどイブなどブルフェンロキソニンメナミンナイキサンポンタールインダシンボルタレン婦人科内分泌外来ベストプラクティス