ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

脂肪率,除脂肪量に差は認められませんでした(図16).過去の報告では,月経前の黄体期に体重が増加すると感じているアスリートが43%近くいることが報告されています8).月経周期に伴う体重変動の要因には体水分量の変化が関与していることが考えられます9).これは,黄体期に増加するエストロゲン・プロゲステロンには腎臓から分泌される体水分量を調節するレニンというホルモンの活性を高める働きがあり,体内に水分が貯まりやすくなるためと考えられています10,11).黄体期にむくみやすい,食欲が増すといった自覚症状が強いアスリートは,毎日できるだけ同じ条件(時刻,服装など)で体重を計測し,月経周期毎の体重の変動幅を一度把握してみましょう.体重体脂肪率kg%kg703060除脂肪量6020505040104030卵胞期有意差なし黄体期0卵胞期有意差なし黄体期30卵胞期有意差なし黄体期図16月経周期に伴う体組成の変化d.月経周期と主観的コンディションの変化を把握する方法月経周期の中でコンディションが良い時期,悪い時期を把握するために,基礎体温や体重,主観的コンディションの変化などを毎日記録してみると良いでしょう(p11「基礎体温の測り方」参照).これらを継続して記録することにより月経周期とコンディションの関連がみえてきますが,重要なことは再現性があることです.つまり,毎月月経周期の同じ時期に同様の症状がみられることです.また,月経不順や経血量が少なく2?3日で終わってしまう,というアスリートは少なくありません.これらのアスリートでは排卵が上手く行われていないことが多く,プロゲステロンが分泌されないため,月経周期によるコンディションの変化を自覚しないことがほとんどです.30