ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

はじめに昨今,女性アスリートの健康問題についての認識が高まり,産婦人科医においてもスポーツに参加する女性の医学的な問題についての取り組みが始まっています.医学の範囲を超え,各専門家やさまざまな団体が連携をとり,性差を考慮した医科学サポートを実施するための体制が整いつつあると感じています.東京大学医学部附属病院女性診療科・産科では,2017年4月に国立大学で初めてとなる「女性アスリート外来」を開設し,競技レベルや年齢,種目,障がいの有無を問わず女性アスリートの診療を行っています.女性アスリートが抱える婦人科の問題は,大きく「女性アスリートの三主徴」と「月経随伴症状」に分けられます.これらの問題はトップアスリートのみならず,中学・高校の部活動に励む女子選手にもみられることから,10代での早期介入の重要性を日々感じています.今後,養護教諭や校医の先生方と産婦人科医が連携し,産婦人科への受診につなげる体制作りが必要です.この「Health Management for Female Athletes」は,アスリートの月経対策本として,国立スポーツ科学センター(JISS)在籍中よりスポーツ庁の委託事業でVer.1,Ver.2を発行してきました.今回,国立スポーツ科学センターの承諾を得て,スポーツ庁の委託事業として東京大学産婦人科学教室が実施したパラアスリートの調査を追加し,加筆・修整を加えたVer.3として発行する運びとなりました.トップアスリートだけではなく,スポーツに参加するすべての女性に,ジュニア期からのさまざまな女性特有の問題に対し正しい知識を持ち,月経対策の選択肢を多く持って欲しいと思います.女性アスリートが目標とする試合で最高のパフォーマンスを発揮できるよう,本冊子が日々のコンディショニングや障害予防を考えるうえでの一助となることを願っています.東京大学医学部附属病院女性診療科・産科能瀬さやか1