ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

2-4過多月経経血量については.他人と比較することが非常に困難です.そのため,あくまで主観的な評価であり絶対的な評価ではないことに留意する必要があります.産婦人科受診時には経血量の客観的な評価の目安として“血の塊がでる”,“夜用のナプキンが1?2時間毎に交換が必要な量”であれば経血量が多いと判断してよいでしょう.過多月経による鉄欠乏症貧血と診断され鉄剤を服用しているアスリートでも,本人はその経血量の多さを自覚していない場合があります.過多月経に伴う貧血に対し,漫然と鉄剤を服用しているアスリートがいますが,このようなケースで鉄剤の服用は根本的な治療にはなっていません.過多月経に対し低用量ピルなどを用い経血量を少なくする治療を行うことができます.アスリートにとって貧血はパフォーマンス低下の原因となるため,貧血と診断されているアスリートで経血量が多い場合は,婦人科で過多月経の原因となる疾患がないか診察を受けるようにしましょう.2-5ホルモンの変動に伴う主観的コンディションの変化a.主観的コンディションの良い時期月経周期に伴う心身の変化を図11に示します.特に,月経前の症状は排卵後に分泌されるプロゲステロンが大きく影響しているため,排卵が確立してくる高校生頃から自覚するアスリートが多い印象にあります.体重が1~2kg増加体重基礎体温月経期卵胞期排卵期黄体期月経期体重が落ちにくい時期下腹部痛,吐気,胃痛,腹部膨満感,体重増加,下痢,むくみ,肌荒れ,だるさ,頭痛など下腹部痛,出血,頭痛などむくみ,イライラ,腰痛,乳房痛,頭痛,下腹部痛,肌荒れ,体重増加,食欲亢進,眠気など図11月経周期に伴う心身の変化26