ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

最終的に「摂食障害」と診断された13名のうち,自ら自分に摂食の問題があると訴えて心療内科やカウンセリングに訪れたのは8名で,他の5名は医師や臨床心理士との信頼関係ができてから摂食の問題について話すようになっています.前述の通り,摂食障害の人は病気であることをなかなか認めないという特徴があります.神経性過食症のアスリートは,競技をするうえで体重増加がマイナスに働いたり,コーチや関係者の目に留まりやすいため治療につながりやすいのですが,神経性やせ症は,競技上では一時的にでも成績が伸びたり,自己コントロールができていると捉えられたり,さらにはアスリートの世界に「月経があるようでは,まだ練習が足りない」という空気感があるために85),自分も周囲も病気に気づきにくく,治療につながりにくい状況もあります.では,なぜ女性アスリートに摂食障害が多いのでしょうか?表35に示すように,一般的に摂食障害で多いとされる性格行動特性とアスリートの陥りやすい悪循環の思考が似ているからだといわれています86).ここで摂食障害と診断されたアスリートの例を紹介します.表35摂食障害に関係する心理機制とアスリート心理との関連心理機制完璧主義/極端な認知過剰適応/優等生傾向コントロール/強迫性抑圧/失感情自己評価/自己嫌悪衝動性/攻撃性成熟拒否/性同一性アスリートの心理完璧を求める/金メダルしか意味がない指導者にとってのいい子/競技内外で人格者を要請される強い自己鍛錬,忍耐,努力不平不満を言わないのがよいアスリート本当の自信を得ることの難しさ競争と闘争は必然生物学的性差が競技パフォーマンスに与える影響180