ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

7-2摂食障害なぜ女性アスリートにとって摂食障害を知ることが大切なのでしょうか?まずは,一般的な摂食障害について考えてみましょう.摂食障害は,主に神経性やせ症・神経性過食症のことを指します.食行動の問題を中心としますが,これは身体機能の維持発展の根幹をなすものであり,どちらもさまざまな身体合併症を併発します(図88・89).精神障害が背後に前駆している場合やその後に併発することも少なくありません.この複雑な病態は生命をおびやかすだけなく,治療上の困難をもたらし,障せんえん害の遷延化・慢性化とも関係するものです83).《摂食障害に併存する精神障害》・抑うつ障害群・パーソナリティ障害群・双極性障害群・物質関連障害群・不安症群a.神経性やせ症(拒食症)精神的な原因により食行動の異常を生じ,極端なやせをきたす病気です.慢性的,重症となる精神障害で,罹病期間の平均は約6年間.回復までに長期的な経過を要します.やせていてもやせていると思わず(身体像の障害),体重増加に対する強い不安,恐怖(肥満恐怖)があります.やせるために食事量を制限しますが,その反動として過食したりすることもあります.その時には,自ら嘔吐(もどす)したり,下剤を大量に使ったり,ダイエットサプリを乱用したりして,なんとか体重増加を防ごうとします.この状態が病気であることを認めたがらず,治療に無関心か抵抗を示します(病識のなさ).やせに伴い,筋力の低下,疲れやすさを感じるようになります.さらには,身体的にもさまざまな変化(無月経や低血圧,電解質異常等)が見られ,深刻になると命の危険に及ぶこともあります.また,低体重が長期間続くと脳の萎縮も見られます.成人ではBMIが16kg/m 2未満で重度(160cmで176