ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

必要ですが,経皮投与のメリットとして下記が挙げられます.1体重増加がみられにくく,コンディションへの影響が少ないこと2ホルモン療法を行いながら,利用可能エネルギー不足改善の指標である黄体化ホルモン(LH)の回復を確認できること3エストラジオール値を数値化できること4骨芽細胞の分化に必要なIGF-1を抑制しないこと経皮エストラジオール製剤にはパッチ剤やジェル剤があり,これらの薬剤を数カ月連日投与します.また,この経皮エストラジオール製剤を使用しているだけでは月経はこないため,試合や練習日程を考慮して約7日間プロゲスチン製剤の経口投与を併用し,周期的な消退出血(薬を使用中止後にみられる出血)を起こしています.ただし,プロゲスチン製剤服用時にだるさや眠気を訴えるアスリートもみられるため,競技日程などを十分考慮したうえでの投与スケジュールが必要です.また,薬物療法による消退出血がくると安心するアスリートは多くみられますが,この治療は定期的な消退出血を起こすことが目的ではなく,エストロゲンを補充している期間が重要となります.また,塗り薬を使用中の不正出血を月経と思って治療を中断するアスリートもいますが,これは自然の月経ではありませんので不正出血の対応についても主治医に確認するようにしましょう.何カ月に一度消退出血を起こせば良いかという決まりはなく,試合や練習日程を考慮し,3カ月くらいを目安に消退出血を起こしています.【処方例】例)1ル・エストロジェル1日1回1プッシュを片腕または両腕に塗る約3カ月連日投与*ただし,保険で認められていない2デュファストン5mg1回1錠1日2回朝・夕食後7日間(試合や練習に影響が少ない時期を選び,消退出血希望日の約10日前から1と併用で使用)168