ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

(9)利用可能エネルギー不足の改善法では,無月経のアスリートではどのように利用可能エネルギー不足を改善すれば良いのでしょうか.アメリカスポーツ医学会では,女性アスリートが利用可能エネルギー不足に至った原因を見極めたうえで改善方法を考えるとしています.利用可能エネルギー不足改善のための治療目標として下記にアメリカスポーツ医学会と国際オリンピック委員会の指針を紹介します45,46).《アメリカスポーツ医学会の指針》利用可能エネルギー不足の改善法1最近減少した体重をもとに戻す2正常月経が保てる体重に戻す3成人はBMI 18.5kg/m 2以上,思春期は標準体重の90%以上にする4エネルギー摂取量や体重は下記を目指す・エネルギー摂取量は最低2,000kcal/日とする.・エネルギー必要量よりもエネルギー摂取量を20~30%増やす.・7~10日ごとに0.5kg以上体重を増加させる.ただし,トレーニングによるエネルギー消費量によってはさらに増やす.5利用可能エネルギーを45kcal/kg除脂肪量/日以上にする《国際オリンピック委員会の指針》1最近のエネルギー摂取量に300~600kcal/日を加える2トレーニング量を適正にする3トレーニングや食事に関するストレスへの対処を考える利用可能エネルギー不足による無月経の改善のためには,アスリートの基本的な食事の形をそろえることを前提に,食事量を増やすかトレーニング量を少なくして利用可能エネルギー不足を改善していくことが基本となります.利用可能エネルギー不足による無月経の治療食事量(エネルギー摂取量)を増やすまたは/かつ運動量(エネルギー消費量)を減らす158