ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

d.無月経アスリートに対する栄養指導に関する研究アメリカスポーツ医学会では,月経回復には利用可能エネルギーが45kcal/kg除脂肪量/日以上必要であるという指針を出していますが46),利用可能エネルギー不足の改善の際,体重増加を懸念するアスリートが多い現状にあります.そこで,薬物療法を行っていない無月経トップアスリート5名(20.6±4.0歳,種目:陸上長距離3名,スケート1名,スキー1名)を対象に,利用可能エネルギーの改善を目的とした栄養指導を3カ月間行い,利用可能エネルギーと体重およびホルモン値の関連について検討しました71).(1)方法食物摂取量は,食事写真を併用した秤量法による自記式食事記録調査法にて,練習日(介入前は3日間,介入後は2日間)の食事について調査しました.記入にあたっては管理栄養士が対象者に説明し,期間中に摂取した食物(サプリメントなどを含む)全ての食事記録と写真撮影をお願いしました.記入後は内容の確認を行い,日本食品標準成分表2010および食品ごとの栄養表示をもとにエネルギーおよび栄養素摂取量を算出しています.運動によるエネルギー消費量は,食事記録調査と同日の自記式運動記録から要因加算法により身体活動のメッツ(M E Ts)表を用いて算出しました.栄養指導介入では,今後の練習量やスケジュールなどを確認したうえで,利用可能エネルギーを増加させるためのエネルギー必要量,栄養素の目標摂取量を算出し,それらの摂取量を満たすための栄養指導を実施しました.栄養素の目標摂取量は日本人の食事摂取基準2015年版,骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版72)の値を参考にし,指導には骨粗鬆症検診・保健指導マニュアル73)を参考にしています.なお,図81に調査研究の流れを示していますが,5名全員の栄養指導介入前の利用可能エネルギーが目標値の45kcal/kg除脂肪量/日未満であったため,5名全員に対して食事療法を行いました.148