ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

競技・種目特性を踏まえ,荷重部位と非荷重部位の両者の測定が必要な競技・種目もあると考えられます.競技別腰椎骨密度Z-score3p<0.001 p<0.001 p=0.252 p=0.100 p<0.001 p<0.001E A:月経正常群A A:無月経群210-1-2-3全体陸上(中・長距離)陸上(その他)新体操水泳サッカーEA AA EA AA EA AA EA AA EA AA EA AAn=235 n=150 n=33 n=68 n=24 n=7 n=21 n=16 n=18 n=10 n=69 n=10図77競技別にみた腰椎骨密度(4)アスリートの骨密度を低下させる因子アスリートの骨密度低下に最も影響を与える因子を,JISS婦人科を受診した20歳以上のアスリート210名で検討しました.初経年齢,トレーニング量,BMI,10代の無月経の既往,現在のエストロゲン値などさまざまな因子で検討したところ,低骨量のリスクを高める因子として,1 10代で1年以上無月経を経験していることと,2 BMI値が低いことが挙げられました54).また,10代で1年以上無月経を経験しているアスリートでは,20歳以上で低骨量のリスクが23倍高いという結果になり,最大骨量獲得前の10代で無月経に伴う低エストロゲン状態が長期間続くと,低骨量のリスクが高くなることが明らかになりました54).日常の診療において,10代で無月経を経験しているアスリートの骨量は低いケースが多く,低骨量の有無は問診により推測することができます.現在骨量増加につながる治療が少ない現状にあり,10代で過度な体重制限などによる利用可能エネルギー不足があると,生涯にわたる骨の健康を害するため,特にジュニア期では極端な体重制限を行うべきではなく運動量に見合ったエネルギー摂取量の確保が重要になります.平均値±標準偏差*p<0.05, **p<0.01140