ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

ページ
14/200

このページは Health Manegement for Female Athletes Ver.3 の電子ブックに掲載されている14ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

妊娠を希望する女性では,排卵の時期を知るために基礎体温を測定します.基礎体温が高温期に移行する排卵期に性行為を行うと妊娠しやすいからです.また,月経不順の時に排卵の有無を確認するために測定することもあります.アスリートに多い利用可能エネルギー不足による月経不順や無月経でも,排卵が上手く行われていないことにより,低温期のみ(一相性)の基礎体温を示すことが多く,このような無排卵の状態では時々少量の不正出血(月経以外の出血)がみられるケースがあります.また,アスリートで基礎体温を測定する主な目的の一つは,「月経周期とコンディションの関連」を確認することです.女性ホルモンの変動により,月経周期で様々な体調の変化がみられますが,まずは本当に月経周期と関連があるか,再現性があるかを知ることが大切です.記録をつけてみると,月経周期とは全く関連性がないケースもあります.もう一つの目的は,「利用可能エネルギー不足の徴候」がないかを確認するためです.月経周期や排卵が規則的にみられていたアスリートが利用可能エネルギー不足になると,まずは黄体機能不全になるため高温期が短くなり,さらに利用可能エネルギー不足が改善されなければ無排卵となるため,低温期のみとなります.このため,高温期が短いまたは高温期がみられなくなってきたら,利用可能エネルギー不足の徴候であるととらえ,運動量に対し食事量が不足していないかを見直すことが重要となります.この時期に体重が減っていたり,練習量が増えた時期である場合は,利用可能エネルギー不足が月経不順や無月経の原因である可能性があり,食事からのエネルギー摂取量を増やしてあげることが重要な治療となります.基礎体温はさまざまな情報が得られますので,普段から自分の身体を知る意味でも基礎体温の測定を習慣にするとよいでしょう.12