ブックタイトルHealth Manegement for Female Athletes Ver.3

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概要

Health Manegement for Female Athletes Ver.3

・無酸素パワー無酸素パワーは,陸上競技の400mや競泳の200 ? 400mのような中距離種目のように,強度の高い運動を短時間維持するために必要な体力要素です.運動中のエネルギーが主として解糖系によって供給される運動におこんぱいいて必要であることから,30秒で疲労困憊に至る運動強度を用いて評価することができます.ウィンゲートテスト無酸素パワーの評価指標として,ウィンゲートテスト(体重の7.5%負荷で30秒間の全力ペダリング)を行い,30秒間の最大パワーや平均パワー,運動終了後の乳酸値を測定し評価しました.表17に,ウィンゲートテストの結果を示します.最大パワー,平均パワー(それぞれの体重割),最大回転数,最大パワー到達時間において,低用量ピル服用に伴う変化は認められませんでした.低用量ピル服用者と低用量ピル非服用者を比較した研究では35),低用量ピル服用に伴う最大パワー,平均パワーの差は認められなかったと報告されています.一方,本調査においては,最大パワー,平均パワーなどパフォーマンスには差がなかったものの,運動終了後の最大乳酸値が低用量ピル服用期に自然周期より高くなることが確認されました(図39).本調査結果から,低用量ピル服用に伴い乳酸応答が変化する可能性が考えられますが,メカニズムは不明のままです.運動に伴う乳酸値の低下および増加は,トレーニング効果の確認やトレーニング計画などにも活用されます.種目特性やトレーニング状態によっても応答が異なるため,今後は種目特異的に検討する必要があります.パラアスリートにおいても,最大パワー,平均パワーにおいて,低用量ピル服用に伴う大きな低下は認められませんでした(表18).今回JISSで行った縦断的な調査では,低用量ピル服用によるコンディションおよび運動パフォーマンスの低下は認められませんでした.つまり,低用量ピルの服用は月経困難症や月経前症候群,子宮内膜症などの治療や,試102